スローループファンだけどリバー・ランズ・スルー・イット見たぞ

途中までネタバレなし

スローループっていうメチャクチャおもしろい漫画があって、フライフィッシングという特殊でマイナーな釣りを題材にした漫画なんですけど…。

同じフライフィッシングを題材にした映画を見ようと思って「リバー・ランズ・スルー・イット」を見た。

本編ではたしか言及されてないけど、たしかきらら展Finalかなんかに展示してあった描き下ろしの漫画でやまひーがこの映画に言及してた記憶がある(曖昧)。

2年くらい前から「流石に見ないとなー」と思ってDVDを買っていたんだけど積んでいて、最近スローループでアメリカ編が始まりそうな気配が漂ってきたので流石に見た。

・あらすじ アメリカ・モンタナ州に生まれた2人兄弟の兄・ノーマンが家族の歴史を回想する話です。

・一家はフライフィッシングが大好き、父親は厳格な牧師、地元はメッチャ田舎、舞台は1900年代前半、兄弟は仲が良い。大学で詩の勉強をする兄と、新聞記者の弟。弟は気のいい奴なんだが無鉄砲すぎるところがあって、そのせいで家族の運命は思わぬ方向に向かい…みたいな話。

・作風 モンタナの雄大な自然を描いた叙情的な作品で、しっとりした感じですね。テーマは信仰、家族、愛、釣り、兄弟愛。スローループとだいたい同じですね。

・いい映画だった。まあまあ難解だし、叙情的な作風だからエキサイティングな話ではもちろん無いけど、スローループが好きな人はこういうのも好きなんじゃないか。

・スローループに接続される要素があるかと言われると・・・同じようなテーマの話だから見出そうと思えばいくらでも見出だせると思うけど、明らかに露骨に元ネタにしてるような要素はないとは思う。それぞれ独立した作品だと思って見たほうがいい。でも興味深い映画だからスローループ好きな人は見たほうがいいです。

・まず冒頭のセリフがめちゃくちゃいい。「うちでは信仰とフライフィッシングの間に区別がなかった(in our family, there was no clear line between religion and fly fishing)」とかいう超かっこいいセリフから始まる。作品の内容を一言であらわしていると思う。

・終盤にいろいろあって兄弟の関係がとても退廃的になっていくんだけど、それでも弟が「明日釣りにいこう」と屈託無く誘うシーンがあってガチでいいんだよな。どうしようもなく悲劇に向かっていくんだけど釣りだけは大好きなのがいいよな。

・フライフィッシングってめちゃくちゃかっこいいんだよな~。作品のいたるところから、フライフィッシングはかっこいいぞ!という考え方がひしひしと伝わってくる。フライ神格化映画だ。父親の牧師が「フライの釣り方を知らない奴が魚を釣ることは魚に対する冒涜だ」みたいなことを言うシーンが存在するし、主人公兄弟はイエスの弟子はフライの名手だったと信じて育ったらしい(謎すぎる)。

・スローループは変化を拒んで父親に教わったソルトフライしかやらなかったやまひーが他のいろんな釣りを始めることでフライという釣り方を相対化する漫画なわけだけど、この映画はエサ釣りのことをちょっと小馬鹿にしててだいぶイカつい。

・たしかにフライフィッシングってなんかしらんけど神聖な感じがするんだよな。ハッキリいって釣りを神格化する考え方はだいぶ謎なんだけど、「いや、でもフライフィッシングって神聖なものだよな」と思わせてくれる自然の美がちゃんと表現されていて、謎神格化がちゃんと説得力のあるものになっているのが偉い。

ここからネタバレ

・全部映画に描かれてるからあんまり言う事ないんだけど・・・。

・うまく行っていない人に手を差し伸べようとするけど、うまく助けられなかったり、差し伸べられる側がそれを望んでいなかったりすること、あるよな。

・映画の最後で牧師の父親は、そういうときに「できるのは愛することだ」と説教をする…二人の兄弟において愛することとは一緒に釣りに行くことなんだよな。最後ああいう感じになってしまったけど、家族で釣りに行けたのは救いだったと思う。

・フライ神格化映画なだけあって、弟は釣りがうまくなるにつれて神に近づいて死の気配が漂ってしまう。釣りが好き故にモンタナから離れられずに、そのせいで死んでしまう。なんやかんや堅実な生き方をしている兄は釣りからほどよく距離を置いていたが、死んでいった人を愛するために老いても川から離れることはできない。

・やまひーって父親が死んだ悲しみから立ち直れなくて変わらないでいてくれる海で一人釣りしていたわけだけど、それと同じ原理なんだよな。死んだ人との思い出を、ノーマンは川に見出して、父親の牧師は信仰に見出して、ひよりは海に見出して、小春は変わらない笑顔でいることに見出した。

・難解な映画だったからまた見よう。

・アメリカの魚、デカすぎるだろ・・・。モンタナ男子は誰しも釣りをする、みたいなセリフがあるけど、こんな環境で育ったらそりゃ釣り好きになるだろと思う。

・字幕の訳はだいぶ怪しい気がする。知らんけど。

せろりん
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