
【Audible百合部】阿部暁子「カフネ」Audibleで聴いた(ネタバレ無し)

・百合あるよ!
・ネタバレはないです。
・今年の本屋大賞をとった話題作ですね!
・これガチで、4割くらい「日々は過ぎれど飯うまし」ですよ!!!百合あるし、飯がテーマだし、八王子が舞台です。
・主人公は、溺愛していた弟が急死して夫もなぜか出ていってしまった41歳バツイチの女です。弟は病気で急死したはずなのに何故か生前に死期を悟ったような行動を取っていたみたいで、例えばなぜか遺書を残していて、中には「遺産は家族と元カノで分けてください」みたいなことが書いてあるわけです。そういうわけで相続の話で元カノを八王子のカフェに呼び出すところから話が始まります。
・なんやかんやあって弟の元カノの家事代行サービスを手伝うことになってしまい、家事代行を通して家事に向き合ううちに弟や弟の元カノのことがわかってきて…みたいな話です。
・主人公と弟の元カノの掛け合いがシンプルにおもしろいですね~。わりとどっちも生意気で殺伐としているのがいいです。どっちもおもしれー女です。
・家事、特にメシを食うことに対する示唆に富んでいてかなり良いです。メシ描写がわりとしっかりしています。
・弟の元カノがちょいちょい主人公にメシを作ってくれるわけですけど、メシパートになると途端に描写が生き生きしてくるのがいいですね。
・この小説って、全体的には今どきっぽい現代的で無駄がない小説で、「この設定、必ずしも必要ないよね」と思った部分はたいていなにかの伏線だったりするんですけど、メシパートだけは無駄な部分が多くて、貴重な紙面を割いてこだわって書いてるんだなーと思います。
・たとえば弟の元カノが主人公にパフェをつくるシーンがあるんですけど、主人公が「パフェって言うのはフランス語で”完全な”を意味するパルフェから来ていて~」とか変なウンチクを言いながらめちゃくちゃ喜ぶわけです。その変なウンチクいる?と思ってしまうんですけど、でも「パフェ出てきて異様にテンション上がって変なことを言ってしまう41歳バツイチ」の描写としてはパーフェクトですよね、これ。メシパートだけは変な描写を入れまくって生き生きとしたみずみずしい心理を表現しているのが良いなーと思います。
・心身が荒んでいてもメシをしっかり食うことの重要さを強調するシーンが多い小説なわけですけど、おれもメシ食うのが好きなのですごい響いたんですよね~。
・なんというか、健やかに生きたいですよね。メシが美味しくて、部屋がある程度きれいで、死にたいとか思わずに働けて、ちょっとくらい前向きな作業(早起きしてラジオ体操とか)ができる状態で、酒とか薬物に依存してなくて、・・・みたいな状態をキープしたいですよね。
・ちょいちょい出てくる八王子駅北口のカフェってどこなんでしょう?聖地巡礼に行きたいですね。八王子ナポリタンが有名なお店っぽいです。

・八王子ナポリタンはこれです。ナポリタンに玉ねぎを乗せた八王子グルメですね。そもそも「八王子ラーメン」という醤油ラーメンに薬味として玉ねぎを乗せたラーメンが存在するんですけど、それのナポリタンバージョンというわけです。
・おれはあんまり好きじゃないです。普通のナポリタンのほうがパーフェクトな味がしてうまいと思います。これが八王子で盛んに食べられているか?というとそんなこともなく、むしろ八王子に観光に来た奇特な人しか食べないような、御当地ビジネスの産物として存在している料理です。この小説だと八王子ナポリタンが割と頻繁に登場するので、かなり謎さがあります。
・理解が難しい部分はあんまり無いですし、朗読も良いです。Audible向きの作品だと思います。結構おすすめです!
・最近の本屋大賞、百合小説多すぎて最高!2025年大賞「カフネ」、2024年大賞「成瀬は天下を取りにいく」、2023年3位「光のとこにいてね」、2022年大賞「同志少女よ、敵を撃て」…